「九条の大罪」は「闇金ウシジマくん」の作者、真鍋昌平さんの漫画です。
第1巻を読みました。考えさせられる面白い漫画でしたので、紹介します。
「九条の大罪」は弁護士が主人公の漫画
主人公、九条間人(くじょうたいざ)
主人公は弁護士の九条間人(くじょうたいざ)。
タイトルに「九条」が入っているけど、「間人」と「大罪」もかかってますね。
九条は半グレなどの弁護士をしており、世間では悪徳弁護士と言われています。
そして、九条は「思想信条がないのが弁護士」と考えており、依頼人を善悪では選別していない人物でした。
第1巻のエピソード
第1巻には2つエピソードがありました。
- 飲酒運転+スマホながら運転で親子をひいた交通事故
- 半グレに利用された軽度知的障害者の薬物所持
九条は交通事故を起こした人、薬物所持をしていた人の弁護をします。
どちらも起こった事件の内容だけで、闇です。
さらに、出てくるキャラクターがひどいので、もっと闇です。
読んだ後には、少し暗い気持ちになってしまいます。
しかし、現実に起こるかもしれない事件であり、実際にいそうな人でもあるので、人間のリアルな姿みたいなものを突きつけられているようで、目を背けることもできず、考えさせられるストーリーです。
インタビューも読んでみた
文春オンラインに2021年5月の真鍋昌平さんのインタビューもありましたので、読んでみました。
真鍋昌平さんインタビュー#1 依頼人は半グレ、ヤクザ、前科持ち… 『闇金ウシジマくん』の真鍋昌平が“胸くそ悪い”弁護士を描くワケ (文春オンライン)
『ウシジマくん』では堕落し落ちていく人間の弱さを描きましたが、『九条の大罪』では弱者につけこむ強者の側から人間の闇を描けたらいいなと思っています。
真鍋昌平さんインタビュー#1 依頼人は半グレ、ヤクザ、前科持ち… 『闇金ウシジマくん』の真鍋昌平が“胸くそ悪い”弁護士を描くワケ (文春オンライン)
読者を嫌な気持ちにさせようとか、疲れさせようと思って描いているわけではないんですが、人間の弱さとか真実みたいなところに近づこうと思うと、どうしてもああいう物語になってしまう、ということだと思います。
真鍋昌平さんインタビュー#1 依頼人は半グレ、ヤクザ、前科持ち… 『闇金ウシジマくん』の真鍋昌平が“胸くそ悪い”弁護士を描くワケ (文春オンライン)
「闇金ウシジマくん」も「九条の大罪」も人間の闇が描かれていると思います。そこが両作品の魅力だと思います。
人間の闇を見るのがつらい人には、読むのもつらい漫画だと思います。
ただ、「九条の大罪」は主人公が弁護士なので、若干読みやすいかもしれません。
人の闇がすごいが読んでみてほしい漫画
私はたまに裁判の傍聴に行きます。裁判の傍聴に行くたびに、裁判に出なくて済む人生のほうが良いと思います。
「九条の大罪」も読むと、このような事件に関わらずに済むほうが良いと思います。
「九条の大罪」を読んだ後の気持ちは、裁判を傍聴した後の気持ちに少し似ていました。
ただ、裁判も、「九条の大罪」で描かれる人間の闇も、現実にあることで、世の中は不条理なことはたくさんあって、清濁併せ呑んで生きていけるだろうかと思わされます。
また、2022年4月から18歳以上が成人となりました。
18歳、19歳の刑事裁判の対象が拡大しました。犯罪に巻き込まれるリスクも高まっているかもしれません。
成人になったばかりの人も、この漫画を読んでみても良いのではないかと思います。
「九条の大罪」はとても興味深い漫画だったので、「闇金ウシジマくん」みたいに、いつかドラマ化されると嬉しいです。