MR. BIG(ミスター・ビッグ)の最後のツアー “The BIG Finish Farewell Tour” の日本ツアーが行われました。
私は2023年7月26日の日本武道館での公演に行ってきました。
アーティストの最後のツアーライブに行けて、本当に良かった。
素晴らしいライブだったので、紹介したいと思います。
なお、ライブの前に神保町にある喫茶店『さぼうる2』にも行ってきたので、よろしければご覧ください。
MR. BIG はめちゃんこ格好良いバンド
MR. BIG とは
MR. BIGはアメリカのハードロックバンド。
1989年にデビュー、2023年は34周年です。
アメリカでもヒット曲を出しましたが、日本では特に人気のバンド。
よく知らないけど聴いたことがある曲がある人は多いのではないでしょうか。
良い曲がたくさんあるのも人気の理由だと思いますが、やはり演奏技術の高さは音楽好きを虜にしたと思います。
メンバー(The Big Finish Farewell Tour 時)
ビリー・シーン(Billy Sheehan)ベース
ビリー・シーンを知らないベーシストがいたら、それはベーシストじゃないんじゃないかと思うくらい、超有名ベーシスト。
ベース、めちゃめちゃ上手い。上手すぎる!神!
ビリー・シーンのベースは、彼らしさのある素晴らしいベースで、もはやこれはベースなのかと思わせられるくらい、普通のベーシストにはない超絶格好良い演奏をなさる。
2023年7月現在は70歳なのですが、現在もやっぱり格好良い。
エリック・マーティン(Eric Martin)ボーカル
ハードロックのバンドだけど、少し甘めの声が魅力で、歌唱力も高いボーカルのエリック・マーティン。
激しい曲を歌えば格好良いし、バラードを歌えばしっとり美しい。
2023年現在、62歳。音域は以前に比べると低くなっているけど、やはり良い声と歌唱力が素晴らしい。
ポール・ギルバート(Paul Gilbert)ギター
ポール・ギルバートのギターはテクニカル。
Guitar World(ギターワールド)誌では世界最速ギタリストの一人に挙げられていたり、歴代最高のギタリスト TOP100に選ばれたりしています。
ピッキングが速くかつ音がしっかり綺麗に出ていて、超カッコイイ速弾き!
速弾きだけではなく、メロディアスなフレーズもアコースティックギターも美しく奏でられる音色が素敵です。
2023年7月現在は56歳。他のメンバーと比べると若いけど、50代ギタリストかなり渋い。
ニック・ディヴァージリオ(Nick D’Virgilio)サポートドラム
ニック・ディヴァージリオは、The Big Finishツアーでサポートドラマーとして参加しました。
スポックス・ビアード(Spock’s Beard)、ジェネシス(Genesis)、ビッグ・ビッグ・トレイン(Big Big Train)などでもドラムを叩いています。
ライブで初めて演奏を聴きましたが、彼のドラムも素晴らしいです。コーラスも良い。
パット・トーピー(Pat Torpey)ドラム
ドラムはバンド結成時からパット・トーピーでしたが、2018年2月7日に64歳で逝去。パーキンソン病の合併症により亡くなりました。
今回のツアーは、パット・トーピーが亡くなってからはじめての日本公演です。
ライブのメンバー紹介ではパットもちゃんと紹介され、観客もパットを偲んでいました。
イケメンすぎる顔と、パワフルで安定感のあるドラム。
リズム隊のベースのビリーが弾きまくっている時はパットのドラムでバランスをとってくれている感じ。
パットの若かりし頃のドラムを是非ご覧ください。最後にはドラムソロもあるよ。
The Big Finish Farewell Tour
MR. BIG最後のツアー
ツアー名称が「The Big Finish Farewell Tour」である通り、MR. BIGの34年間の歴史に幕を下ろす最後のツアーです。
日本での公演は下記の4公演でした。私が行ったのは7月26日の日本武道館です。
- 2023年7月20日(木)名古屋 日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
- 2023年7月22日(土)大阪 丸善インテックアリーナ大阪
- 2023年7月25日(火)東京 日本武道館
- 2023年7月26日(水)東京 日本武道館
7月26日の公演は満席。立見席も出ていました。
お客さんは中年の男性が最も多い様子。きっと、20年、30年前からMR. BIGを好きだったファンが最後のMR. BIGを観に来ていたのでしょう。
そして、公演前にはMR. BIGからメッセージが届いていました。
これで最後と思うととても悲しい気持ちになりましたが、「Come on it’s a celebration!(みんなでお祝いしよう!)We’re family grew up together. (一緒に成長してきたファミリーだ。)」なんて言われたら、晴れやかに最後の時間を楽しむしかないです。
なお、2023年7月26日の日本武道館での公演はWOWOWで生中継され、2023年8月9日まで配信されています。2023年9月16日にも放送スケジュールが出ています。
映像でMR. BIGの最後の日本でのライブを観られます!
2023年7月26日 日本武道館 セットリスト
1. | Addicted to That Rush | |
2. | Take Cover | |
3. | Undertow | |
4. | Daddy, Brother, Lover, Little Boy | 『Lean Into It』1曲目 |
5. | Alive and Kickin’ | 『Lean Into It』2曲目 |
6. | Green-Tinted Sixties Mind | 『Lean Into It』3曲目 |
7. | CDFF-Lucky This Time | 『Lean Into It』4曲目 |
8. | Voodoo Kiss | 『Lean Into It』5曲目 |
9. | Never Say Never | 『Lean Into It』6曲目 |
10. | Just Take My Heart | 『Lean Into It』7曲目 |
11. | My Kinda Woman | 『Lean Into It』8曲目 |
12. | A Little Too Loose | 『Lean Into It』9曲目 |
13. | Road to Ruin | 『Lean Into It』10曲目 |
14. | To Be With You | 『Lean Into It』11曲目 |
15. | Big Love | アコースティック |
16. | The Chain | アコースティック |
17. | Promise Her The Moon | アコースティック |
18. | Where Do I Fit In? | アコースティック |
19. | Wild World | アコースティック、Cat Stevens のカバー |
20. | ギターソロ | |
21. | Colorado Bulldog | |
22. | ベースソロ | |
23. | Shy Boy | Talas のカバー |
24. | 30 Days in the Hole | アンコール、Humble Pie のカバー |
25. | Good Lovin’ | アンコール、Rudy Clark and Arthur Resnick のカバー |
26. | Baba O’Riley | アンコール、The Who のカバー |
約2時間30分のライブ!最高の時間でした。
事前に告知されていた通り、1991年に発売された2ndアルバム『Lean Into It(リーン・イントゥ・イット)』の全曲を演奏。アルバムに収録されている順番でした。
『Lean Into It』はMR. BIGの名盤。どのアルバムから聴けば良いか悩んだらこのアルバムが良いと思います。や、他のアルバムの良いんですけど、良いんですけど!
見切れ席だけど行けて良かった
私の席はあまり良い席ではなく、ステージ下手側のかなり後ろの方でした。
故にステージ中央のモニターはあまり見えず、人も大きくは見えなかったのですが、同じ空間で直に音や空気を感じられたのは良かったです。
少しだけ動画を撮影したので、よろしければこの後にある動画もご覧くださいませ。
海外のアーティストはスマホでの撮影なら可のアーティストがほとんどです。拡散によって知ってもらう機会になるという考え方のよう。
見切れ席からの映像で、自分の目はステージを観つつ撮影していたので画面がブレている時もあるのだけど、最後のMR. BIGの素晴らしい演奏を少しでも見てもらえると嬉しいです。
オープニングは Addicted to That Rush
ライブの始まりはやっぱり高揚しますね!
『Addicted to That Rush』はビリーのベースのトリルから。
そしてドラムが入ってきた後の、ギターとベースのユニゾンがめちゃんこ格好良い!
Daddy, Brother, Lover, Little Boy でのドリル奏法
『Daddy, Brother, Lover, Little Boy』では定番のマキタの電動ドリルを使った演奏。
そもそもポールもビリーもめっちゃ速く弾ける人なのに、さらに電動ドリルを使って高速ピッキングで遊んでいるんだから最高。
そして、70歳で電動ドリルでベースを弾く人と、56歳で電動ドリルでギターを弾く人なんて、この世にこの人たちくらいなんじゃないだろうか。格好良すぎ。
ボーカルのエリックがポールに電動ドリルを持って行ってあげるのも微笑ましい。
ドリル奏法を大きく見たい場合は、公式の動画(2:15くらいから)を是非ご覧ください。若き日のドリル奏法も格好良い!
このイントロはアツい Green-Tinted Sixties Mind
ギター好きはたいていこの『 Green-Tinted Sixties Mind』のイントロのコピーしてる。なにせ美しい。
意外とそれっぽく弾けるので、ギターちょっと上手くなりたいなという人にオススメの練習曲でもあります。
ライブでも空間系のエフェクトがかかったギターの音が美しく響きました。
超ヒット曲 To Be With You
アメリカのビルボードHOT100で1位を獲得したヒット曲『To Be With You』。
大ヒットした曲でもあり、アルバムに収録するか問題になった曲でもあり、同じような曲を求められたりと、良くも悪くも影響が大きかった曲。
この曲はボーカルのエリック・マーティンの恋の実体験を歌った曲で、私はエリックその人そのものが出てて良い曲だと思います。
エリックがベースをベーンっと鳴らしに行くところがあるのだけど、ベースのビリーがその時にいつもさぁおいでって感じなのも良い。
ポール・ギルバートのギターソロ
ギター好きにはやっぱりギターソロの瞬間が一番最高なんですよ。
ポール・ギルバートの約5分20秒のギターソロ。
途中が『Nothing But Love』のフレーズなものだから、泣かせてくる。
ビリー・シーンのベースソロ
MR. BIGはやはりビリー・シーンあってのMR. BIG。
約6分30秒のベースソロ。色気というか、生命エネルギーというか、何かが溢れている。
こんなベースソロを弾く人、それがビリー・シーン。
感動的スピーチ
上のリンク(Facebook)の動画は、とても綺麗に撮影されているので、スピーチはメンバーの顔が見える動画で是非。
ビリー・シーンによるMCです。
MR. BIGのメンバーとその家族の紹介もあります。家族もステージ上に上がって紹介されるというのはアメリカらしいというか、日本ではあまりないですよね。
そして、亡くなったパット・トーピーの家族も登場。この日本公演はMR. BIGにとっても、ファンにとってもスペシャルな日であったことは間違いないです。
最後には、ファンの皆への愛と感謝が伝えられました。
こちらこそ、MR. BIGに感謝!
Thank you, MR.BIG!! Great BIG 34 years!!
洋楽をあまり聴かない人にも
洋楽をあまり聴かない人には、日本でおなじみの曲やアーティストでMR. BIGに触れてもらえたらと思います。
B’zのギリギリchopでは、MR. BIGのベースのビリー・シーンとドラムのパット・トーピーが参加しているバージョンがあります。
アルバム『Brotherhood』に収録されているVersion51が二人が演奏に参加しているギリギリchopです。ビリーらしさとパットらしさ、出てます!
シングル版のギリギリchopと聴き比べしてみるのも面白いですよ。
また、ボーカルのエリック・マーティンはB’zの松本孝弘とTMGというバンドでボーカルをやっています。豪華メンバーバンド。
それから、エリック・マーティンは日本の曲のカバーもしています。
男性ボーカルの曲も女性ボーカルの曲も、素敵に歌いこなすエリックすごい。
MR. BIG 34年間ありがとう!!
彼らの34年を語るにはブログの1記事では到底足りないのだけれど、本当に素晴らしいバンドです。
日本武道館でMR. BIGの最後のライブを観られて良かった!
このあとも、MR. BIGは2023年から2024年にかけて世界中をツアーでまわります。
2024年に日本に来ることはないと言われていますが、もし来てくれたらまた観に行きたい。
もうライブがないとしても、MR. BIGの音楽は皆の中に残っていて、これからも聴かれてゆくだろうと思います。
MR. BIG、素晴らしい音楽をありがとう!