富山県魚津市(うおづし)に魚津埋没林林博物館があるのをご存知でしょうか。
この博物館では、特別天然記念物である魚津の埋没林を見られます。約2000年前の杉が海に埋没し、そのまま良い状態で保存されていたのです。
また、魚津市の海は蜃気楼が見えることでも有名です。博物館では蜃気楼についても学ぶことができます。
埋没林と蜃気楼、ふたつも神秘的なものに出会える博物館です。今年の1月に行って、良い博物館だったので紹介したいと思います。
魚津埋没林博物館
アクセス:蜃気楼ロード沿い
魚津市の海岸沿いにある蜃気楼ロードを進むとあります。
この辺りの海は蜃気楼が見えることで有名なので、蜃気楼ロードという名前が付けられています。
海沿いの道路なので、車で行くとドライブが気持ち良いです。
魚津駅からだと1.5kmくらいの場所で、歩くと20分くらい、車だと5分くらいです。タクシーを利用しても良いと思います。
市民バスもあります。バスでは駅から「埋没林博物館前」まで10分程、200円で行けますが、本数はそんなに多くないので時刻表を確認してから利用しましょう。
魚津市の公式ページに蜃気楼ロードや市民バスの情報があるので、こちらも参考にどうぞ。
駐車場
駐車場は広いです。普通車100台、バスなどの大型車6台のスペースがあります。そして無料。
駐車場から道を挟んで向こう側に博物館の建物が見えます。
駐車場側にある階段を降りたところに受付があって、道の下を通って移動することができます。安全。
観光案内図もあるので、魚津の見どころについて知ることもできます。博物館の他にも行きたい場所が見つかるかも。
入館料
入館料は高校生以上は640円。小,中学生は260円、幼児は無料です。障がい者手帳を持っている場合は割引があります。
また、近くにある魚津水族館も利用できる共通入館券もありました。
チケットは埋没林博物館の建物がデザインに使われた、おしゃれなチケットでした。
施設概要
埋没林博物館は有料エリアと無料エリアがあります。
有料エリアは以下です。
- 水中展示館
- 乾燥展示館
- ドーム館
- ハイビジョンホール
- 企画展示室
- 屋上展望台
せっかく来たなら有料エリアも見るべし。
水中展示館、乾燥展示館、ドーム館では実物の埋没林を見ることができます。
そして、私は埋没林を見てかなり満足してしまい、企画展示室と屋上展望台に行くのを忘れました。無念…。
無料エリアだけでも、埋没林や蜃気楼について学べますし、憩いの場所として過ごせるスペースもあるので、ちょっと寄るのだけでも良い場所だと思います。
水中展示館
特別天然記念物!!それだけでなんかすごい。
天然記念物のうち学術的・文化的に特に特に重要なものが特別天然記念物に指定されるのです。
水中展示館には、縦8m✕横16m✕深さ2.5mの水槽があり、3つのスギ樹根が展示されています。
真ん中の樹根が一番大きく、樹齢は500年ほど。
そして魚津埋没林は、約2000年前のスギらしい。2000年前!!!
2000年前からこの地にいたんだね。2000年前の川の氾濫によってスギや土砂が流されて埋まったのだそうです。
1952~1953年に発掘が行われた場所をそのままに、埋没林の周りに水槽を建設、そこに水を満たして保存展示されています。
水槽には片貝川の伏流水を地下からポンプアップして流し込んでいるそうです。現場そのままなので、自然の地下水も湧いています。
約2000年間も腐らず良い状態で保存できていたのは、埋没していた時もこの冷たく綺麗な地下水によって守られたからと考えられてられており、現在も地下水の中で保存されているのです。
2000年の時を越えて残る樹木と、スギを守り続ける地下水から、神秘的なエネルギーを感じます。
また、海に埋没した理由は以下と記載がありました。
魚津埋没林は、約2,000年前、片貝川の氾濫によって流れ出た土砂がスギの原生林を埋め、その後海面が上昇して現在の海面より下になったと考えられています。
埋没林とは – 魚津埋没林博物館
いろいろな説があったようですが、現在は海面の上昇説が有力なようです。
展示されている埋没林が神秘的で、何やら格好いいので、見ているだけで面白いです。
水中展示館には地下もあって、水中の様子を横から見ることもできます。
水面に映る埋没林。逆さ埋没林も見られます。
水中にある埋没林をいろいろな角度から見ることができるので、撮影のしがいもあると思います。
乾燥展示館
埋没林の乾燥展示もあります。
乾燥展示館の魅力はなんといっても、お触りOKなこと!
2000年前に存在した木に実際に触ることができるのだ。すごい!
そして、超分かりやすいイチオシポイントの説明もあります。まさにその通りです。
複雑!
迫力!
埋没林を使って作られたモノもありました。こんな火鉢、格好良すぎる!
約230株の樹根が発見されたそうですが、形を変えて活用されたりしたんですね。
そうなると、今、博物館に残っている埋没林は貴重だなぁ。
1930年頃の海の様子もありました。
こんなにゴロゴロと樹が転がっていたら、当時の人たちは、これどうすんだという気持ちになったかもしれないですね。
ドーム館
ドーム館では埋没林を発掘した現場を保管してあります。
半地下になっています。現在の海面より低い位置だったようです。
このエリアの展示物は触ることはできないので、見て楽しみましょう。
壁に掛かったパネルに埋没林に関する説明がたくさん記載されているので、学ぶのにも良いコーナーです。
ハイビジョンホール
ここでは2つの映像を見ることができました。
- 光と風の芸術・蜃気楼
- 洞杉の記憶・魚津スギ物語
蜃気楼ってどんな原理?が映像でよくわかり、勉強になりました。
また、洞杉は魚津の山間部にある森林ですが、埋没林は洞杉の森の杉のように山間部の森林だった可能性があるそうです。
洞杉の森には樹齢500年〜1000年以上の天然スギの巨木が100本以上群生しています。生きた巨木も見に行ってみたくなりました。冬期は閉鎖されており、6月中旬から11月頃までは行けるそうなので、行ける時期に行こう!
なお、上映される映像は撮影禁止です。
魚津市のキャラクター「ミラたん」との写真も
魚津市のキャラクター「ミラたん」をご存知だろうか。
富山県民であれば、もちろんご存知のキャラクターです。
魚津情報を魚津っぽい富山弁で発信してくれています。
🎍🐍\新年のご挨拶/🐍🎍
— ミラたん@富山県魚津市 (@miratan_uozu) January 6, 2025
あけましておめでとうございます🌅
今年もよろしくお願いしますやちゃ🩵
2025年は巳年!🐍
魚津市には蛇石という蛇が巻き付いたように見える石があるちゃよ🪨
今年もみんなに会えることを楽しみしとるちゃ🫶🏼 pic.twitter.com/i2DxlAxE6i
埋没博物館内には、ミラたんのイラストがあります。これは良いぞ!シュール。
3Dアーティスト永井秀幸さんの作品で、博物館内に5点あるそうです。
ミラたんと一緒に記念撮影を楽しむのも良いと思います。
無料エリアもなかなか良い
無料エリアにも埋没林や蜃気楼について学べる展示物がいくつかあって、面白いです。
キッズルームは木っずルームという名前になっています。木の博物館らしくて良いです。
カフェのKININAL(キニナル)もありましたが、冬季休業中で営業していませんでした。残念。
無料で行ける範囲だけでも、ちょっと寄るのに良さそうでした。地域の人の便利な施設としても良い場所だと思います。
近くに海の駅「蜃気楼」もある
アクセス
埋没林博物館のすぐそばです。近いので埋没林博物館に行ったら、海の駅に寄るのも良いと思います。
博物館からだと車ならすぐ、歩きなら7分ほどです。
冬の間は閉門されていますが、マリンゲートという海の駅と埋没林博物館を繋ぐ道もあります。
名前は「海の駅 蜃気楼」です。蜃気楼の見える海らしい、良い名前だと思います。
魚津らしい海の駅
魚津には「たてもん祭り」という夏のお祭りがあって、その祭で使われる山車「タテモン」が飾られています。海の街なので、豊漁と航海安全を祈願しているそうです。
フードコート、浜焼きコーナー、特産品売り場、鮮魚売り場などあります。
この時期は蟹がありました!良い蟹が置いてあります。
海の駅でイベントが行われることもあります。朝市も開催されているようです。
蟹騒動というイベントも開催されることがあるようです。このイベント、行ってみたい!
「魚津 蟹騒動(かにそうどう)」
— 魚津市観光協会(富山県) (@uozu_kanko) December 27, 2024
令和7年2月22日(土)・23日(日)開催 🦀
事前予約受付開始です!
カニ好きさーん、予約枠がありますのでご予約はお早めに!!!https://t.co/4xKkNJ3Kjv#富山 #魚津 #蟹 #イベント https://t.co/q4qj5YU1ZS pic.twitter.com/t3jFLk5Qmn
魚津は米騒動が起こった地なのでイベント名は掛けてあるんですね。
美しい海も山も見える
駐車場の横はすぐ海になっています。ちょっとした高台もあって眺める場所に良さそうです。
目の前に海が広がります。美しい。
消波ブロックも日本海らしい。
子供のころはよく消波ブロックの上で遊んだな。今乗ったら怒られるかなと思ったけど、辺りにはブロックの上に乗って釣りをしている方が何人かいました。乗っても良いのかもしれない。
また、魚津の海は蜃気楼が見えることもあるので、見られたらラッキーです。
この日は蜃気楼は見られませんでした。まだ1月のはじめでしたからね。
もし蜃気楼を見られたら、埋没林博物館から蜃気楼を見たという証明書ももらえます。
冬型(下位)蜃気楼はいろんな海で見られますが、春型(上位)蜃気楼も見られるのが魚津の海の素晴らしいところなのです。
魚津の蜃気楼は春に特に見やすいですが、今年は1月に春型蜃気楼が見られたそうです。早い!
春型(上位)と冬型(下位)とは何だ?と思った人は、埋没林博物館のハイビジョンホールの映像を見ればわかりますが、下記のページも参考にどうぞ。
そして、海の背後には美しい山々も見えます。
山といっしょに埋没林博物館も見えますね。
海も山も見られる気持ちの良い場所なので、天気が良かったら是非、海の駅にもお立ち寄りください。
私のように埋没林博物館で展望台に行くのを忘れてしまった人も、ここに行くと良いと思います。
埋没林博物館、大人になってからのほうが面白かった
埋没林博物館には、随分と昔、私がまだ子供だった頃にも行ったことがあるのですが、今回行った時のほうが面白く感じました。
年を重ねて、古代のものや、自然のものへの興味が深まったのかもしれないです。
2000年前から残る埋没林を、近くで見たり、触ったりできるので、知識だけではなく撮影や触感など感覚的な楽しみ方もできるのが良かったです。
また、近くには美しい海、山があり、眺めも良かったです。良いタイミングだと蜃気楼を見ることができるかもしれないので、それを楽しみに行くのも良いと思います。
蜃気楼は春(3月~6月)に出やすいので、その時期に行くと良いかもしれませんね。蜃気楼予報も参考にすると良いと思います。そういえば、富山で暮らしていた時は、春には天気予報といっしょに蜃気楼予報もやっているのを当たり前のように見ていたけど、富山ならではだなと思いました。
- 公式サイト:https://www.city.uozu.toyama.jp/nekkolnd/
- 公式X(旧Twitter):https://x.com/UozuBFM
- 公式Instagram:https://www.instagram.com/uozuburiedforestmuseum/
- 住所:〒937-0067 富山県魚津市釈迦堂814
- 定休日:12月29日~1月1日、12月1日から翌年3月15日までの木曜日(祝日の場合は開館)、(3月16日から11月30日までは無休)
- 利用時間:9:00 – 17:00(入館は16:30まで)
- 駐車場:有
- 公式サイト:http://www.shinkirou.jp/
- 住所:〒937-0053 富山県魚津市村木定坊割2500-2
- 定休日:毎月第2水曜日(5月、8月、12月は無休)
- 駐車場:有
魚津市にある『魚づ鱒寿し店』の鱒の寿しはとても美味しいので、魚津におでかけの際に買うのも良いと思います。