仕事で愛用しているロジクール(ロジテック)のトラックボールマウス M570。
左ボタンを操作時にチャタリングが発生したので、そろそろ買い替えかと悩んだのですが、買い替える前に直せるかやってみました。
自宅に無水エタノールがあったので、これで掃除したら、私のマウスは直って正常に戻ってくれました。掃除大事!
M570を分解して掃除しましたので、使用したものや、分解手順、掃除手順を紹介します。
チャタリングとは
チャタリング(Chattering)とは可動接点などが接触状態になる時に、微細で非常に速い機械的振動を起こす現象のことです。
マウスの左ボタンで起こるチャタリングの現象は以下があります。
- シングルクリックしたのにダブルクリックになる
- ドラッグしていると、途中で解除されてしまう
この現象が出始めた時、ちょうど仕事のPCが新しくなったタイミングだったので、Windowsの設定が合っていないのかなど思い調整してみましたが、直らず。
どうもマウスに問題が起きているとわかりました。そう、これはマウスのチャタリングだ!なんという分かりにくいタイミングで発生するんですか…。
チャタリングの対応方法はいくつかありますが、まずは簡単な以下を試しました。
電池が切れそう?
→電池を変えてみるも変化なし
静電気が溜まっている?
→電源OFF、電池を外してしばらく放置した後にクリックしまくるも変化なし
電池や静電気の問題ではないとわかりましたので、この後、私は無水エタノールで洗浄を試しました。
ロジクールのトラックボールマウス M570
チャタリングが発生したのはこの黒いロジクール(ロジテック)のトラックボールマウス M570。
購入したのは2019年の春だったので、4年半が経過。保証はもう切れています。
ほぼ毎日仕事で使用していましたので、そろそろ何か起きてもおかしくないか。
なお、私はロジクールのトラックボールマウスを愛用しており、下の写真の左の黒いマウスがM570、右の白いマウスはM575です。M575は自宅のPC用として使用中。
M570は生産終了しており、M570の後継機種がM575です。
M575は2年ほど使用中ですが今のところチャタリングは発生していないです。
M570よりM575のほうが絶対的に良い商品ですので、修理に失敗したらM575を買おうと思いつつ、修理を進めました。
修理に使用した道具
使用した道具一覧
私は以下の道具を使いました。
- 無水エタノール
- スポイト(なくても良い)
- 無水エタノールを入れる入れ物(なくても良い)
- ヘクスローブドライバー
- マイナスドライバー(他のものでも代用可能)
- 綿棒(なくても良い、ついでの掃除に使っただけ)
洗浄に必要なモノ(無水エタノール)とマウスを分解するのに必要なドライバーを準備すれば大丈夫です。
とても便利な無水エタノール
私は修理に無水エタノールを使用しました。何故なら家にあったから。
なお、「チャタリング 修理」などで検索すると接点復活剤での修理方法が多くヒットしました。
接点復活剤の製品説明には以下が記載されています。
コンタクトスプレー(呉工業)
- 特殊置換性オイルがカーボンや汚れ、異物を除去し、電気接点の接触不良を解消します。
- 接点部の摩擦を軽減し、腐食から保護します。
- 迷走電流の発生を防ぎます。
汚れを除去し、更に腐食から保護したりするなどもある点は、無水エタノールより良さそうです。
しかし、家には接点復活剤がなく、無水エタノールがある!
とりあえず、無水エタノールで汚れの除去をやってみようではありませんか。無水エタノールでダメなら接点復活剤を使ってっみようという気持ちで進めました。
なお、無水エタノールは消毒用エタノールとは違うものなので注意です。
- 無水エタノール (濃度99.5%以上)
- エタノール(95%前後)
- 消毒用エタノール(80%前後)
違いはエタノールの濃度です。無水エタノールはほとんど水を含んでいません。
エタノールや消毒用エタノールは水が含まれているので、電子機器の洗浄には向かないです。微弱な電流が流れてショートしたり、基盤が腐食する可能性があります。
水をほとんど含まない無水エタノールは揮発性が高く、電子機器の洗浄にも使用可能です。基板にかかっても大丈夫。今回はマウスに使用しますが、キーボードの掃除にも良いです。
その他にも、早く乾いてほしいメイク用品(ブラシ、チップ、パフなど)の洗浄にも使えます。また、無水エタノールのパッケージには手作り化粧水の成分として使用できると記載があるので、そういった使用方法もできそうです。
それから、無水エタノールと水を混ぜれば消毒用エタノールにもなりますね。
ついでに、私は日本刀を持っているので、刀の手入れにも無水エタノールを使っています。打ち粉の代わりに。
無水エタノール、便利すぎます。
ダイソーの化粧用スポイト
無水エタノールは基板についても大丈夫なので、大雑把にかけても大丈夫ですが、ダイソーの化粧用スポイトが安くて便利なので使用しました。
先が細く、少量をかけやすいスポイトです。
家にあった適当な容器に無水エタノールを出して、そこからスポイトで吸い上げました。
スポイトの見た目が注射器みたいでかっこいい。見た目で気分を上げていくのにもスポイト良しです。
また、スポイトは無水エタノールに使っただけなので、乾かした後は、他の用途に使えます。
M570の星型ネジ用のドライバー
M570は六角星型のネジ(トルクスネジ、ヘクスローブネジ、ヘックスローブネジなど呼ばれる)です。マウスのカバーを外すにはこのネジを回す必要があります。
ちなみに、M575はプラス(+)ネジです。家庭にあるドライバーで対応しやすくなっています。
ヘクスローブネジはマイナスドライバーでも回せそうですが、私はM570のために、ヘクスローブドライバー(トルクスドライバー)を購入しました。サイズはT6です。
ホームセンターに行ったらドライバーセットしか販売されておらず、こんなに本数はいらないと思っていましたが、Amazonで1本単位で買えて良かったです。
ヘクスローブドライバーの先の形状は星型です。
ヘクスローブネジにピタッとはまります。
この形状だと力の伝達が良いらしいです。確かに回しやすい!このネジを好きになりました。
マウスの分解と無水エタノールでの修理
M570の分解(カバーの外し方)
注意しなければならないのは、分解といってもカバーを外すだけですが、分解するとサポート対象外になることが多いので、承知の上で行いましょう。
カバーを外す前に以下を行います。
- 電源をOFF
- 電池を取り外す
- ボールを取り外す
それでは、5箇所にあるネジをヘクスローブドライバーで外します。
3箇所はゴム足の下にあるので、ゴムを外します。私はマイナスドライバーで外しました。
1箇所は電池を入れる場所の下に隠れているので、紙を剥がしてネジを出しました。
5箇所のネジを外したら、カバーをそっと外しましょう。
購入してからこれまで、一度も外したことがなかったカバーを外したわけですが、めっちゃ中にゴミが入っていました。おおおおお…こんなに汚れておったとは…。写真も汚すぎて載せられないレベル。
しかし、これだけ汚れていたなら、チャタリングも汚れのせいかもと、直ることに期待が高まります。
マウスの左ボタン部を無水エタノールで洗浄
マウスの中があまりにも汚かったので、綿棒に無水エタノールを付けて、気になる汚れやゴミをサッと取りました。
ついでの掃除もできるのは無水エタノールの良いところですね。
今回チャタリングが起きたのは左のボタンなので、左側のスイッチに無水エタノールをかけます。
スポイトを使うと無水エタノールをかけやすかったです。
もし、まわりの基板にかかっても、無水エタノールなので大丈夫。不器用でも簡単です。
無水エタノールをかけた後、白いスイッチをカチカチと押しまくります。私は100回くらいカチカチしてました。
黒い箱の中に無水エタノールが入って、キレイになりますようにと思いながらカチカチします。
「無水エタノールをかける→たくさんカチカチ」を3セット行いました。
その後、しばらく乾かします。少量の無水エタノールだからすぐに乾くと思いますが、放置していたので4時間くらい乾かしていました。
そして、マウスを元に戻して試したところ、マウスが正常に動くようになりました。良かった!
私のマウスのチャタリングは汚れが原因だったのかもしれません。
無水エタノールで修理してから、1ヶ月経ちましたが、今のところ問題は発生していません。
無水エタノールでチャタリングが直った!
ダメ元で無水エタノールでマウスボタンのスイッチを掃除したところ、チャタリングが直りました。
これで直らなかったら接点接着剤を試すか、スイッチ交換か、マウスの買い替えかと思っていたのですが、無水エタノールで修理できて良かったです!
マウスを開けた時に、ゴミがマウスの中に結構あったので、私のマウスの場合は汚れが原因だったかもしれません。
ついでにマウスの中も無水エタノールを使って掃除できたので良かったです。
無水エタノールは、基板にかかっても大丈夫なので電子機器の掃除に使いやすいアイテムです。
もし無水エタノールでチャタリングを直せなくても、他の用途にも使えるので、買って修理を試してみても良いと思います。