人気でなかなかチケットがとれなかった特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」。
観覧の希望が多かったようで、会期が1週間延長されました。
私もなかなかチケットをとれなかったのですが、延長期間のチケットがとれたので、念願の国宝展を観に行ってきました!
国宝展は素晴らしかったので、ここに思い出を残します。
特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」
150周年の記念の年に開催
東京国立博物館(トーハク)の創立150年を記念し、開催された国宝展。
150年の歴史とともに、トーハクにある国宝89件が一挙に展示されるという、珍しい展覧会です。
こんな機会はなかなかないでしょう。
トーハク前のポストも150周年のデザインで何やら気分は高まります。
2022年12月11日に終了する予定だった国宝展。
反響が大きかったため、会期が延長されました。延長期間は12月13日から18日まで。
チケットは事前予約が必要で、会期延長分のチケットは12月7日と12月9日に販売が開始されました。
残念なことに、会期延長期間は展示内容の一部は公開を終了していました。
作品保存上の理由からということなので、延長してもらえただけでも有り難いと思います。
- 公式サイト:https://tohaku150th.jp/
- 公式Twitter:https://twitter.com/tohaku150th
- 開催場所:東京国立博物館 平成館
- 開催日程:2022/10/18 – 2022/12/18(12/13-12/18は会期延長期間)
- 観覧料(税込):一般 2,000円、大学生 1,200円、高校生 900円
(中学生以下、障がい者とその介護者1名は無料)
東京国立博物館の平成館で開催
国宝展はトーハクの平成館の2階で開催。
私は平日の午前10時30分から11時30分の入場時間のチケットで行きました。
午前はまだ人が少なめなのか並ばずに入場できました。
人気が高い特別展なので、時間帯によっては入場にも行列ができていたようです。
特別展に行くなら、友の会という会員制度も
なお、東京国立博物館には会員制度があり、そのうちのひとつに「友の会」があります。
友の会の年会費は7,000円(税込)ですが、以下の特典があります。
- 国立博物館4館(東京・京都・奈良・九州)の総合文化展(平常展)を何度でも観覧できる
- 東京国立博物館の特別展無料観覧券を3枚もらえる
- 京都・奈良・九州国立博物館の特別展を、割引料金(団体料金)で観覧できる場合がある
- ミュージアムシアター無料観覧券1枚
- レストラン、カフェ、ミュージアムショップの割引
特別展を含めて何度も国立博物館に訪れる人には、友の会が便利です。
友の会でも、特別展が事前予約制の場合は事前予約が必要なので、人気の展覧会の場合はやはりチケットの取得に努力が必要ですが。
音声ガイドを利用してみた
音声ガイドを使ってみることにしました。展覧会で音声ガイドを使うのは初めてです。
せっかくなので国宝について少しでも知りたく。
貸出料金は600円。支払いは現金のみ。
俳優の吉沢亮さんとアナウンサーの渡邊あゆみさんによる声の解説を聞けます。
レンタルすると、ヘッドホンと操作する機械を渡されました。音声はクリアで聴きやすかったです。
以下の展示について音声による解説がありました。
- 【国宝】 洛中洛外図屏風(舟木本)(らくちゅうらくがいずびょうぶ(ふなきぼん))
- 【国宝】破墨山水図(はぼくさんすいず)
- 【国宝】千手観音像(せんじゅかんのうぞう)
- 【国宝】一遍聖絵 (いっぺんひじりえ)巻第七
- 【国宝】賢愚経残巻(大聖武)(けんぐきょうざんかん(おおじょうむ))
- 【国宝】元暦校本万葉集(げんやくこうほんまんようしゅう)巻第一(高松宮本)
- 【国宝】無相居士あて尺牘(むそうこじあてせきとく)
- 【国宝】瀟湘臥遊図巻(しょうしょうがゆうずかん)
- 【国宝】竜首水瓶(りゅうしゅすいびょう)
- 【国宝】八橋蒔絵螺鈿硯箱(やつはしまきえらでんすずりばこ)
- 【国宝】埴輪 挂甲の武人(はにわ けいこうのぶじん)
- 【国宝】太刀 銘 備前国包平作 (名物 大包平)(びぜんのくにかねひらさく( おおかねひら))
- 【国宝】太刀 銘 三条(名物 三日月宗近)(さんじょう(みかづきむねちか))
- 古今珎物集覧(ここんちんぶつしゅうらん)
- 山下門内博物館「博物館」扁額
- 【重要文化財】鷲置物
- 鳳輦(ほうれん)
- キリン剥製標本
- 【重要文化財】遮光器土偶(しゃこうきどぐう)
- 【重要文化財】樫鳥糸肩赤威胴丸(かしどりいとかたあかおどしのどうまる)
- 風神雷神図屏風(複製)(ふうじんらいじんずびょうぶ)
- 金剛力士立像(こんごうりきしりゅうぞう)
人気の国宝展なので、人が多い展示付近では博物館内の説明を読むのは困難。
音声解説があることで、観覧はかなり楽になりました。
しかし22件分の解説しかなく、他の解説も音声で聴きたくなるくらい。
もっと音声で解説を聴きたい場合は、「iMuT いつでもミュージアム・トーク」というアプリがあります。
このアプリではトーハクの国宝89件の解説が、展示期間中に順次公開されていました。
1,100円(税込)と少し価格は高めですが、解説量が多いですし、自分のヘッドフォンやイヤホンで聴けるので、より快適な観覧ができるのではないでしょうか。
iMuT いつでもミュージアム・トーク
ART & PART Co.,Ltd.無料posted withアプリーチ
後からこのアプリの存在を知ったので、今回の観覧では使用しませんでしたが、別の観覧機会では使用してみたいです。
また、観覧中ではなくとも図録などを見ながら聞くのにも良さそうです。
東京国立博物館の国宝が一挙公開!
現時点で国宝に指定されている美術工芸品は902件あり、トーハクは89件を所蔵。
会期延長期間は展示内容が調整され、89件のうち計57件の国宝が展示されました。
また、通常の会期でも一部で展示替えや場面替えが行われていましたので、1回行っても全ての国宝を観られるわけではありません。
展示構成は以下でした。
<第1部 東京国立博物館の国宝>
- 絵画
- 書跡
- 東洋絵画
- 東洋書跡
- 法隆寺献納宝物
- 考古
- 漆工
- 刀剣
<第2部 東京国立博物館の150年>
- 第1章 博物館の誕生
- 第2章 皇室と博物館
- 第3章 新たな博物館へ
国宝のうち、延期期間中は特に絵画の展示が少なくなっていたと感じました。保管が難しいのだろう。
国宝展の一部しか観られなかった人も、そもそも見に行けなかった人も、公式サイトに国宝のリストや画像があるので、興味があれば見てみてください。
国宝展では、考古と刀剣のコーナーは会期中すべてが展示されていました。
特にトーハクの国宝の刀剣19振をすべて一度に観られるのは圧巻。
平安時代から鎌倉時代の古刀が美しくかつ不思議なエネルギーを放って展示されていました。
古刀はロストテクノロジーとも言われており、そこにも古のロマンを感じます。
また、天下五剣といわれる、古刀の中でも名刀と言われる5振の刀があります。
そのうち、「童子切安綱」(どうじぎりやすつな)と「三日月宗近」(みかづきむねちか)はトーハクに所蔵されており、国宝展で観ることができました。
天下五剣も格好良いですが、自分の気になる刀を探してみるのもまた面白いと思います。
私は、刃文(はもん)が真っ直ぐな直刃(すぐは)の刀が好きなので、「来国光 嘉暦二年二月日」(らいくにみつ かりゃくにねんにがつにち)に惹かれました。
最後には撮影コーナーあり
特別展は基本的に撮影はできませんが、最後に「金剛力士立像」と「見返り美人図」のみ撮影ができました。
撮影時にフラッシュ使用、三脚使用、動画撮影は禁止です。
「金剛力士立像(こんごうりきしりゅうぞう)」は今年2022年に新しくトーハクの収蔵品に加わり、国宝展が初公開でした。
金剛力士は阿形(あぎょう)と吽形(うんぎょう)一対の仏教の守護神。仁王ともいう。この2体は平安時代に遡る貴重な作例である。かつて滋賀県の寺の門に安置されていたが、昭和9年(1934)の室戸台風で破損した。近年の修理をへて、令和4年に新たに収蔵された。
「国宝 東京国立博物館のすべて」パネル
こんなに近くで観られるなんて感動。迫力があるし、表情や身体の作りが面白いです。
それから、「見返り美人図」の複製。
会期の前半は本物が展示されていたようですが、後半からは複製が展示されていました。
目にも鮮やかな紅綸子(べにりんず)の振袖をまとった若い女性が、ふと振り返る一瞬を描く。下げた髪の先端を輪に結んだ「玉結び」の髪型に、帯は人気の「吉弥結び(きちやむすび)」。まさに当時流行の最新ファッションである。
「国宝 東京国立博物館のすべて」パネル
現在、見返り美人図は国宝ではなく重要文化財でもありませんが、有名な作品。
ガラス越しではなく、そのままを近くで観られるのはやはり良いです。
複製の技術も貴重と思います。本物と複製の違いはどのくらいあるのだろう…?
それから、東京国立博物館の活動についての説明もありました。
博物館のおもな活動として、文化財の①収集・保管、②調査・研究、③保存・修復、④展示公開・教育普及があげられる。これらが相互に連動することが、より良い博物館活動につながる。かけがえのない文化財を未来へ伝え、世界とつなぐため、東京国立博物館は、これらの活動に充実に日々取り組んでいる。
「国宝 東京国立博物館のすべて」パネル
昔に比べ、博物館の観覧料は少し値上がりしているのですが、博物館の活動のためには必要なことだと思います。
そして、博物館の活動のおかげで、今回の国宝展を観られたので感謝です。
最後には「150年後もお待ちしています。」とのこと。
この展示を観たすべての人は150年後に観に行ける可能性はかなり低いと思いますが、未来にも国宝が残ることや新しい国宝が何になっているかと思いを馳せると何やら楽しみになります。
また、トーハクで開催中の「150年後の国宝展」も特別展のチケットで観られます。特別展のチケットがなくても、トーハクの総合⽂化展観覧券で行けます。
今を生きる私たちの周りにあるモノで未来に残ってほしいものは何かを考えたりできる展示でこちらも面白いです。
この展示は2023年1月29日まで開催されています。
お土産コーナーはグッズがたくさん
特別展のチケットで入れるエリアにミュージアムショップもあります。
グッズの種類はかなりたくさんあって、ショップを見るのも楽しめました。
特に人気があったのは、埴輪の挂甲の武人のぬいぐるみ。3,080円。
ぬいぐるみコーナーに一番人が集まっていて、人気の高さがうかがえました。
ぬいぐるみは、遮光器土偶やキーチェーンもあり、モフモフなコーナー。
遮光土偶のぬいぐるみは2,750円。埴輪のぬいぐるみと両方購入する人が多そうでした。
キーチェーンは1,320円で、こちらも埴輪と土偶の両方一緒に買われやすいようです。
そして、やはり展示会には公式図録があります。3,000円。
トーハク所蔵の国宝89件がフルカラーで掲載。トーハクの150年の歴史も楽しめる一冊。
お手軽な記念品としては、ポストカードやクリアファイルですね。
国宝や重要文化財モチーフにしたグッズも数多く販売されていました。
シナモンロールや刀剣乱舞などのキャラクターとのコラボグッズも。
グッズがたくさんありすぎて、どれも気になってしまいました。
国宝の写真などが使われていると、物が非常に格好良く見えてしまう。
また、お土産のレジは混み気味でしたが、タイミングによってはすぐに購入に進める時間もありました。
他にもガシャポンで博ケシや刀剣缶バッジもありました。
レジに並ぶのが面倒な人に手軽なお土産になっていました。
あってよかった休憩所、あったらよかった単眼鏡
特別展のエリア内には、ところどころに椅子が設置されており、疲れやすい人でも休憩しながら観覧ができるようになっていました。
それから、特別展エリアから出たところにある1階のラウンジには、記念撮影ができるスペースもありました。
ここでの写真撮影も良い記念になりますね。
ラウンジにはソファや椅子がたくさんあるので、展示を観ながらたくさん歩いた足を休められます。
セブンティーンアイスや飲み物の自動販売機もあり、疲れを癒やしてくれます。
また、特別展エリアにも貸しロッカーはありましたが、すべて埋まっていて空くのを待つ人がチラホラ。
1階や本館にも貸しロッカーはあるので、特別展エリアに入る前に近くのロッカーを探すのもひとつの手です。
それから、展覧会慣れしていない私は、周りの人を見て知ったのですが、美術品や工芸品の鑑賞には単眼鏡があると良いようです。
単眼鏡があれば、もっとよく鑑賞ができますね!ぐぬぬ、あれば良かった…。
国宝展に行けて良かった
国宝展はチケットが取れず諦めていたのですが、会期延長のおかげで行くことができて良かったです。
東京国立博物館にある国宝を一度にたくさん観られて感動。
また、150年もの歴史がある東京国立博物館の歴史にも少し触れられました。
自分が生まれる前の、ずっと昔の人々が生きていた証が今も観られるなんて貴重な経験です。
トーハク以外にも重要文化財や国宝はたくさんあって、文化庁のページを見ると、重要文化財は13,368、うち国宝は1,131件あるそうです。
これからも、新しい国宝や重要文化財が出てくるかもしれない。
世の中には面白いものがたくさんありますね。また他の展覧会にも行ってみたいと思っています。